Ⅳ 海上ごみトピックス

 

広島湾のごみについて

  広島市内の川は、太田川を本流に下流は六つに分かれ、西から太田川放水路、

 天満川、本川、元安川、京橋川、猿猴川があります。

  太田川は、その源を廿日市市吉和の冠山(標高1,339m)に発し、柴木川、

 筒賀川、滝山川、水内川などの支流を集めて流下し、広島市安佐北区可部町付近

 で根谷川、三篠川を合流します。この流域面積は、1,710㎢と広大です。

  更に、広島湾には、西側に八幡川、岡の下川、可愛川、永慶寺川、東側に瀬野川

 などと大小の川が注いでいます。

 

        太田川水系流域図

 

  大雨で川が増水すると、普段は水が流れない河川敷の遊水地などに溜まっていた

 木・竹・葦や、投げ捨てられたペットボトル・空き缶などの生活ゴミが一気に流れ

 出し、広島湾にれ込みます。

  更に、豪雨による災害が発生すると、土砂崩れなどにより大木や木株、葦が、

 家屋被害などによる家財など、色々なゴミが多量に流れ込みます。

  このため、旅客船やフェリーなどの定期航路や貨物船等の船舶の安全な航行に

 支障を来たさないように、ゴミの回収作業を行っています。

  ごみが出る時は、どの場所でもほぼ一緒になるため、回収作業は効率的に行わ

 なければならず大変です。

  以下、最近の大雨によるゴミの回収作業の状況を紹介します。

  最後になりましたが、災害によりお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りす

 るとともに、被災された方々にお見舞いを申し上げます。

 

 

☆ 令和3年8月9~14日

        台風9号による大雨及び秋雨前線停滞による豪雨 

  広島市の雨量は、安佐北区における3日間の雨量501㎜をはじめ、太田川上流

 (支流を含む)では、平成30年7月の西日本豪雨を上回る観測史上最大を更新

 する、歴史的な記録的豪雨となりました。

  このため、広島県内では、土砂崩れや浸水による被害が相次いだものの、

 これまでの経験が生かされて住民の早期避難が功を奏したのか、人的被害は県内で

 死者2名でした。

  このお亡くなられた方は、安佐北区鈴張町と東広島市志和町でそれぞれ川に転落

 して流された方で、遠く離れた広島湾で発見された。洪水の勢いの強さに恐怖を

 感じます。

 

 

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  原爆ドーム付近の元安川の状況

    写真では分かりにくいが、濁流の中を

   木や竹、葦などが沢山流れている。

  

  

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      流木は、見える部分は小さくても、沈んでいる部分が大きいことが多い。

 

 

 

ゴミが漂着した港など

  

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              広島港県営桟橋付近の状況

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         (8月11日撮影)

   

   

    

     

         

        

 草津漁港の状況

  (8月11日撮影)

 

                                Image6

          

                    

                     

                       

                       観音マリーナの状況

          (8月11日撮影)

 

 

 

  

  

  ゴミの回収作業

   

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☆ 平成30年7月3~8日

         西日本豪雨(梅雨前線の停滞等による集中豪雨)

  広島市の雨量は、中区において3日間で444㎜と観測史上最大を記録するな

 ど、各地で豪雨となりました。

  この影響で、広島県内では、土砂崩れや浸水による被害が相次ぎ、県の南部では

 土石流・土砂崩れが5,000箇所以上で発生しました。通常は崩落しにくい山頂部の

 崩壊も多発し、豪雨の凄まじさを裏付けました。県の住宅被害は浸水も含めると

 19日までに、38,000棟に及んでいます。

  広島市では、安芸区、安佐北区、東区などを中心に、土砂崩れや土石流により

 23人の方がお亡くなりになられ、2人が行方不明となっています。

  川に流される犠牲者が相次ぎ、広島海上保安部は18日までに海上で6人の遺体を

 収容されました。他にも行方不明者が残っているそうです。

  勿論、海に流れ込んだごみも多量となり、船舶の航行に支障となる流木などの

 大型ごみを中心に回収作業を行いました。

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